竹内栖鳳展ー京都市美術館

武内栖鳳展

先日、竹内栖鳳展を見に行ってきた。
竹内栖鳳は橋本関雪とも関わりがある近代日本画を代表する人物であり、その二人の展示をこの秋にまとめて見られるのは本当に嬉しかった。

竹内栖鳳もまた、動物画の人という認識だった。猫と獅子が有名というくらいの認識で、実際今展示のDMもその2作品だった。
11/10を境とする前期と後期で、作品の内容が若干変わり、獅子は前期、後期は猫と目玉作品もそれぞれにしか展示されない。
正直迷った。
どっちを見るべきかと迷ったが、ちょうど自分の大学在学時の恩師である先生が展示をしているというのを聞いて、前期に行くことに決めた。

竹内栖鳳

竹内 栖鳳(たけうち せいほう、1864年12月20日(元治元年11月22日) – 1942年(昭和17年)8月23日)は、戦前の日本画家。
近代日本画の先駆者で、画歴は半世紀に及び、戦前の京都画壇を代表する大家である。帝室技芸員。第1回文化勲章受章者。
本名は恒吉。最初は棲鳳と号した。霞中庵の号もある。動物を描けば、その匂いまで描くといわれた達人であった。

その画風は四条派を基礎としているが、狩野派の他に西洋の写実画法などを意欲的に取り入れており、革新的な画風を示すことで日本画の革新運動の一翼を担った。
時として守旧派からは「鵺派」と呼ばれて揶揄されたが、大画面を破綻なくまとめる確実な技量のみならず、その筆法には悠然たる迫力を備えており、近代を代表する大家であることは異論が無い。
また弟子の育成にも力を入れ、画塾「竹杖会」を主宰。上村松園や西山翠嶂をはじめ、西村五雲、土田麦僊、小野竹喬、池田遙邨、橋本関雪ら名だたる俊英を多数輩出している。

出典:wikipedia『竹内栖鳳』

行くまで知らなかったが、竹内栖鳳展とともに竹内栖鳳の下絵展も行われていた。
こちらの方は竹内栖鳳展を観た後、その半券を見せると200円くらいで見ることができた。

武内栖鳳展ポスター

竹内栖鳳展も橋本関雪同様、年代ごとに展示されていた。
今展はキャプションに年代だけでなく、作者の年齢も記載されており、関雪と、あとは自分と重ねながら見ることができた。

26、7歳になるまで、栖鳳はスケッチや模写など、その腕を磨くことに心血を注いでいたようだ。
スケッチはうまい、うまいしなんというか羨ましかった。その絵を描くことで生きていけるということが、羨ましかった。

しかしながら関雪と比べると、同年代では関雪のが上だと思った。
また、自分と比べた時には、スケッチまではできるが、生々流転の模写をみた瞬間、あぁ、勝てるわけがないのだと思った。

獅子図は意外と早い段階からやって来た。
自分はこの感動を忘れない。
獅子をメインにした絵が何枚があった。中でも獅子と虎を描いた絵は、震えた。
金箔にそれぞれが対峙している。40手前、ただ震えるしかできなかった。

竹内栖鳳は『栖鳳雀』と言われるほどスズメがうまかった。
スズメの絵は、幾つもありそれらは自分の心を打った。
あの、小さくも懸命に生きているという生命感が有り有りと表現されて、心を打った。

『アレ夕立に』

アレ夕立に_竹内栖鳳

このタイトルは自分の心をつかんで離さなかった。ロマンチックだと思った。
その作品が今回展示されていた。
ん?と思った。微妙だと思った。雑だ。
塗りも、線も、雑だ。
そしてその後にあった『絵になる最初』は大きく自分の心を揺さぶった。
愛しくエロく、儚い、と思った。
しばらくその女のことしか頭に浮かばなかった。
ヌードモデルになる前の、服を脱ぐ一瞬。
その恥じらいが心を奪った。
可愛いし、萌えた。いいなぁと思った。

今回栖鳳が描いた人物画は3点しか展示されてなかった。
しかしそのどれもが顔の何処かを隠していた。
顔を隠すとその部分を自分の理想に作り上げてしまう。うまいなぁ、と思った。
また、栖鳳は人物画に対してそれぞれが最も美しい一瞬を捉えたといっていた。
その最も美しい一瞬は顔を隠した時にやってくるというのは、なんだが面白いなぁと思った。

晩年の作品はより端的に対象を表し、表現が柔らかくなったと描いてあった。
実際アヒルの作品は輪郭線がほんの何本かでもって表され、その積み上げてきたスケッチの量を実感せざるを得ないものであった。
また、子犬をモチーフにした作品は可愛さに溢れ、優しい、柔らかな雰囲気が見る側に在り在りと伝わってきた。

後期のみの展示となる班猫

後期のみの展示となる班猫

栖鳳は西洋の遠近法などにも影響をうけ、それを日本がに取り入れた画家であり、実際ヨーロッパを旅したこともあったようだ。日本画を世界に通用することできるようにすることに努め、中でも写生でなく内面をも写し取る写意に力を入れていた。

関雪も、この栖鳳もともに対象に対する観察の重要性や、スケッチを繰り返すことの大切さを改めて実感させてくれる作家であった。

ポスター